こんにちは。日系企業にお勤めの方で、改善しなきゃいけない問題点が山積みなのはわかっていても、それを洗い出し解決するまでの時間や余裕、その方法がわからない、メキシコ人スタッフの人材育成まで頭が回らないというお悩みを持つ方もいらっしゃると思います。
今回ご紹介する3Self Consultingの近藤様は、そうした悩みを抱える日系企業に改善コンサルティングサービスを行い、更に日本語教育にも力を入れ、自らが講師となり、人材育成に力を入れています。そして、5万人強の登録者を持つYoutubeチャンネル"JAPOMEXICANO"の運営までしています。そんなマルチな才能をお持ちの近藤さんにお話を伺いました。
<目次>
登録者5万人強のYoutuber
MEXITOWN(以下、MT):今日は宜しくお願いします。近藤さんのYoutubeチャンネル、JAPOMEXICANOの登録者数、なんと5万人超!すごいですね!メキシコで活躍されるユーチューバーの中ではとても影響力がある方なんだなと思いました。スペイン語で軽快に色々ご紹介されているからこそ、メキシコ人の方からの支持も高いんですね。
近藤様:宜しくお願いします。お褒めの言葉、ありがとうございます。実はいつも一本撮りです。
MT:本当ですか!?てっきり後の編集で動画をつなげたりしていると思いました。
近藤様:コンサルタントとして日々お客様の前でプレゼンテーションをしているのでもう慣れてきましたが、最初はカメラの前で戸惑ってしまうこともありました。
登録者約5万人強のYoutubeチャンネル、"JAPOMEXICANO"
MT:今年3月に開設されたもう一つのチャンネル、DOJOTECAでもスペイン語で分かりやすくかつテンポよく改善や家計簿のことなど開設されていますよね。こちらの反響は後半でお聞きするとして、まず、近藤様が3Self Consultingを始めるまでのいきさつを教えてください。
近藤様:私はメキシコに来てもう8年になりますが、最初は日系企業で働いていました。丁度8年前といいますと、メキシコに日系企業が進出し始めた時期ですよね。まだその頃は今のようにスペイン語が話せなかったのですが、メキシコの環境などを調べていくうちに、将来独立するにも競合相手はいないだろうと思い、思い切って来ました。その後、2018年に現在の会社 3Self Consulting を立ち上げました。
MT:社名の3Self (スリー・セルフ)ですが、この”3”は何のことを表しているんですか?
自らが考え抜き、自らが活動し、自らが提案する力
近藤様:3つのセルフは、3つのことを自分自身でやるという意味が込められています。1. 自らが考え抜き、2. 自らが活動し、3. 自らが提案するという観点は、メキシコで仕事をする上で大事なコンセプトだと考えています。またこれは道場のコンセプトにも通じるものがあり、トレーニング場としての環境が大事です。自ら考え抜き活動をし、提案まで持っていく ことが重要なことです。
MT:なるほど、自分で考え抜き、活動し、更にはその先の提案まで自分で出来るようにということですね。この3つのセルフをお客様の現場が実行できるように、近藤さんがコンサルティングを行っているのですが、実際どのようなコンサルティングをされていくのかご説明ください。
近藤様:先ほどの3つのセルフは特にメキシコで欠けている点だと認識しています。それを弊社の人材教育コンサルティングで現場に導入していきます。
まず、改善コンサルですが、実際にお客様先を訪問し、どういう問題があって、何を解決したいのかをヒアリングし、問題点を挙げたうえで、それぞれにどういうアプローチで改善していくかを提案します。その先のフォローアップもしています。
MT:ヒアリング層の対象は?
近藤様:まずは社長で、その後現場に落としていきます。現場も生産・管理・アドミンとそれぞれヒアリングしています。
MT:これまでのお客様で、具体的にはどういった問題がありましたか?
何が問題なのか?問題点を洗い出し、解決する
近藤様:例えば生産現場では、生産性の向上が課題になってきます。要望としては、生産性をあげて、少ない人数で多くの量をだしたい、でも人件費はあげたいという要望が殆どです。そこで生産性をアップするためのプロジェクトの作成をし、各生産プロセスの生産高の改善で、現場の人間が改善指標を作り、社員の出勤率などの計画をたてます。それぞれプロジェクトの切れ目で、改善指標に達成できているのかなど、確認しながら改善を進めています。
アドミン現場だと、経理の財務に関する法律がよくわからない、また日々何やっているのかわからないというケースがよくあります。自分たちが何をしているのかを見える化するために、経理の改善手法を提案し、アドミンの担当者自信が実際にどうなっているのかを理解し、問題を見つけ、そこにメスを入れやすくする狙いです。
実際のケースでいいますと、現場で深夜1時まで仕事をしているため、プロジェクトの遅れにつながり、プロジェクトがなかなか先に進まないといったことがありました。では何故深夜1時まで現場は仕事をしているのかに着眼点をおき、仕事の棚卸をやります。そこで分析をして「何が悪いのか」を洗い出し、社長に共有しながらプロジェクトを進めていきます。
また、メキシコの職場は離職率が高く、入社してもすぐ退職することが多いです。そうした場合でも、後任や既存の現場が慌てずすぐできるように、私が教育をしながらサポートしています。ただ単にやり方を教えて「あとは頑張ってください」ではこうした人がすぐ退職していく中では通用しません。あくまで私がすべてやるのではなく、現場の人間自らが考えてどこに問題があるかを分析できることが最終目的です。
MT:日系企業の現場で、自分はどういう立ち位置であってほしいとお考えですか。
近藤様:強い姿勢で外部から問題を見つけることのできる、一つのいいツールとして使っていただけたらと考えています。日本の商習慣や各社の社内ルールをそのままメキシコに導入しようとしても、まずはできません。内部コンサルティングとして雇っても、内部のいざこざなどに巻き込まれていなくなってしまうでしょう。そうしたところに私は1サプライヤーとして入り、客観的に問題を見つけて改善していくお手伝いができればと思います。
メキシコ人含むラテン系の考え方も理解しながらアドバイスをし、お互いに持っているものを引き出す。日本側・メキシコ側の両方の立場を理解することが出来るのが、弊社のサポートのポイントでもあります。
MT:ありがとうございます。確かに、外部の立場でメキシコ人・日本人両方の立場や意見などを理解し、アドバイスできるのは近藤さんの強みですね。
近藤様:ありがとうございます。メキシコ人も「おはよう」、日本人も「Buenos dias」といって挨拶をして歩み寄りたいと心の底では思っています。お互いが気持ちよく仕事をしていく環境作りの役目を私が担うことが出来たらと思っています。
MT:さて、近藤さんの3月に開設されたDOJOTECAですが、視聴された方の反響はいかがでしたか?こちらはJAPOMEXICANOよりももっと改善や家計簿など、もっと踏み込んだ内容になっていますね。
近藤様:まだ開設したばかりでそれほど多くのコメントは来ていませんが、コメントとしていただいたのは、改善ビデオへのコメントです。「頑張って勉強して売上を何とか上げようという努力はしているが、コロナのパンデミックの影響で限界があり、いくら頑張っても厳しいと思っていた。しかし、近藤さんの改善のビデオを視聴して、コストを削減する努力を見つけるヒントが得られた気がします、経営者として非常に参考になった」というコメントをいただきました。こうしたコメントも大切にしながらコミュニティでディスカッションできたらいいです。DOJOTECAの目的は、私がただただ話していくだけではなく、そこからみんなで勉強し、新しいアイディアが生まれ、いろいろな視点で物事を考えていくコミュニティであるので。
MT:そうしたコメントをいただき、また次の動画作成へのヒントにもなりますね。そして、3Selfの事業の一つに言語教育がありますか、こちらはどういったものでしょうか。
厳しい環境で日本語を学び、日系企業で働く道を作る
近藤様:これはですね、私がメキシコ人向けの日本語教室を開いているんです。
MT:え!コンサルティングでお忙しいのに、近藤さんは講師もされているんですか?
近藤様:そうです、でもメキシコ人にとってはとても厳しいクラスです(笑)現在はリモートで実施していますが、生徒数は62人います。コロナが収束したらグループ分けをして教室を借りて対面でやっていきたいですね。
MT:厳しいというと、どれくらい厳しいんですか?
近藤様:まず、継続性がないと続けられません。全て授業プランがあり、各授業が終わったら宿題が出ます。万が一授業を欠席しても補修はないので、ビデオを見て学習してもらいます。また、5分遅れで授業に参加しても内容が進んでいるので、時間厳守、目的をもってやらないと続かないです。
各生徒には宿題提出日の1日前にメールでリマインドしてますし、自分で授業内容に遅れてはいけないということを自ら感じとってもらわない限り、ついていけないです。
日本語をこのようなスタイルで教えて2~3年以上続いている生徒さんは、やっぱり根性が違いますね(笑)また、そのような生徒さんたちを日系企業に紹介しています。これまで4人の入社実績があります。日本の企業とも提携し、彼らを日本の会社で働かせる研修プロジェクトにも取り組んでいます。そこでは日本語のクラスをとるのではなく、仕事で日本を学んでもらいます。これまで3人ほど派遣し、研修を終了してメキシコに戻ってきました。そのうち2人は日系企業に就職、1人は大学院に進学しました。
メキシコでも出来るんだ、と言わせたい!
MT:近藤さんの下で鍛え上げられた生徒さんならどこでもやっていけそうだと思いました。最後に、今後取り組んでいきたいことについてお話ください。
近藤様:弊社の事業の改善、言語教育、パーソナル・ファイナンス教育、おもてなしに代表される接客教育の4つの観点から、日系企業の現地化を実現することが出来たらと思っています。現場の改善は、もしかしたらアメリカでもできてない、はたまたベトナムもできていない?と言われている中で、メキシコができているの?!といわれるくらいになりたいです。現場のメキシコ人だけで、社員がいきなり退職してもきちんと業務を回していけるように、そのサポートを引き続き取り組んでいきたいです。
MT:そんな日がすぐにでも来るよう、私も応援しています!本日はありがとうございました。
編集後記
事業紹介やこれまで行ってきたプロジェクトを、ハキハキとご説明いただいている姿は、Youtubeチャンネルで見た近藤さんのままでした。実はサッカー選手でウルグアイでの滞在経験もあるけれど、スペイン語が話せないゼロの状態から、8年以上かけてご自身の事業を立ち上げたことは並大抵の努力ではなかったんだろうと思いました。日本語教育から厳しい環境で人材を育て、更に日系企業での実践に結び付けていくなど、プランの描き方が非常に明確です。今後、どのようなご活躍をYoutubeチャンネルでご紹介いただけるのか楽しみになってきました!
スペイン語での動画ではありますが、スペイン語があまり理解できない方でも学習になりますし、プレゼンの仕方は勉強になります。是非皆様、チャンネル登録してください!
会社情報・事業紹介資料
3Self Consulting
住所:Alttus Corporate Center & Plaza 9 piso, Sierra Leona #360 Col.Villa Antigua,
San Luis Potosí, S. L. P., CP. 78214
電話番号:+52 (1) 444 870 4289
メールアドレス:info@3selfconsulting.com
ウェブアドレス:www.3selfconsulting.com
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