Hola!本日は読者の方からの記事で、Chepe Expressの乗車体験記となります。
素敵な写真を沢山頂きましたので、是非旅した気分になったつもりでご覧ください!
<目次>
Chepe Express とは?
夏休みにチワワ太平洋鉄道 Ferrocarril Chihuahua al Pacífico 通称:Chepeに乗車してきました。
Tren Chepeとは、シナロア州 Los Mochis-チワワ州 Chihuahuaを結ぶ鉄道で、2種類あります。
①Chepe Regional(普通列車)
Los Mochis-Chihuahuaを運航する各駅停車のローカル列車。
②Chepe Express(急行列車)←今回はこちらに乗りました。
Los Mochis-Creel間の急行列車。※Creel-Chihuahua間は運航していません。
今回はChepe ExressのPrimera Clase席で、Los Mochis-Divisadero、片道約8時間を往復乗車しました。金曜にLos Mochis発、Divisaderoで2泊し、日曜にまたLos Mochisへ戻る日程にしました。
【Chepe Express・急行列車】
★停車駅
①Los Mochis、②El Fuerte、③Bahuichivo、④Divisadero、⑤Creel の5駅。
人気観光地は ④Divisadero か ⑤Creelです。
★運航日
・Creel行き → 月・水・金曜
・Los Mochis行き → 火・木・日曜
とHPには書かれていますが、2022年、2023年の運航カレンダーでは、水・木はピークシーズン以外は運航が無い様です。
★クラス
①Primera Clase
②Clase Ejecutiva
③Clase Turista
【チケット購入】
Chepe公式HPより予約しました。座席指定です。
東側の席(Chihuahua行きの場合は、進行方向に向かって右側、Los Mochis行きの場合は左側)が景色がよくお勧めです。西側の席は山側が多く、東側の席の方が川や渓谷が見える場所が多いです。こちらの列はやはり人気なので、早く売れてしまいます。さらにボックス席なので進行方向を向いた席が人気でしょうか。購入完了するとPDFのチケットが送付されてきます。
座席指定をしたにも関わらず、もしもPDFチケットの座席(ASIENTO)が『ACOMODO A BORDO』と表示されていたら、問い合わせをすると、座席番号の入りのチケットを再送してくれます。問い合わせる場合は、チケット左のNUM, DE RESERVACION(予約番号)、予約時のE-mailアドレスがあるとスムーズに調べてくれます。公式HPのチャット、メール、電話で問い合わせ可能です。
チケットが『ACOMODO A BORDO』と表示されていても、Chepeのシステム上は、ちゃんと座席を確保されているようなので、もし指定した座席を忘れても、乗車当日にChepeスタッフが手書きで記入してくれるようです。
往路【Los Mochis駅までの移動】
Los Mochis駅発は、朝8時なので、Los Mochis市内のホテルに前泊しました。
Los Mochis空港は、周りに何もない小さな空港です。Uberなど走っているようなエリアではないので、空港タクシーでホテルに向かいます。モールも隣接しているので、Fiesta Inn Los Mochisに宿泊しました。空港タクシー300ペソ区間で、約20分で到着しました。
明朝の駅までの移動も、朝はUberはあまり走っていないとのことで、ホテルのフロントでタクシーを予約してもらいました。朝6:45にホテルを出発し、約10分でLos Mochis駅に到着しました(タクシー150ペソ)。
【Los Mochis駅での乗車】
Los Mochis駅は7時に駅舎が開きますが、まだホームへは入れません。
7:30くらいにChepeスタッフが、乗客に降車駅とクラスを確認し、預け荷物には降車駅毎に色分けされた荷物タグをつけ、半券をくれます。
①Primera Claseと②Clase Ejecutivaの預け荷物は、専用の貨物車両で保管されます。③Clase Turistaは、車両内の荷物用スペースに置く様子です。
その後、預け荷物を持ってホームまで出て、貨物車両で荷物を預けて、客車へ乗車しました。貨物車両も、乗り込む客車も表示が出ています。Primara Clase車両は、網棚がないので、小さなキャリーケース(飛行機の機内持ち込み可能サイズ)も、車内への持ち込みが不可となります。リュック程度であれば、座席の下(ちょっと狭い)か、ボックス席なので背もたれの後ろのスペースに置けます。
乗車すると乗客の確認があり、チケットと、FM3・パスポートなどの公的な身分証明書の提示が求められます。またクラス分けの紙のリストバンドも配布されます。
Primera Claseは、スナック&ソフトドリンク、展望食堂車Urikeでの食事1食(comida)、バー車両、最後尾のテラス車両の利用、1人1個25kgまでの預け荷物が含まれています。
【Chepe車内】
食品の持ち込みは不可なので、発車してすぐに食堂車Urikeで朝食をいただきました。チケットに含まれる1食は朝食にも利用可能ですが、昼食の方がお値段が高いので、朝食は普通に支払いをしました。
Los Mochisを出て2時間ちょっとで次の停車駅、El Fuerte駅に到着します。この駅では多くの乗客が乗車してきて満席になりました。(今思うとLos Mochis-El Fuerte間の景色はつまらないです)
El Fuerte駅を過ぎると、ウェイターが全ての乗客に食事(comida)のメイン料理のオーダーを聞いて周ります。この日のメイン料理は、①エンチラーダス、②リブアイ、③海老と肉のカスエラ で、この中から1品を選びます。食事は12:30開始ですが、乗車区間を考慮し、各グループごとに食事の時間は指定されます。(早く降りる人が早い時間帯のようです)オーダーを聞かれる際、口頭(スペイン語)でバーっとメニューを説明されるので、聞き取れないこともあるかもしれません。車内のスクリーンにChepeの案内が流れていますが、そこでメニューも出てくるので、先に確認しておいてもいいかもしれません。言えばメニュー表を出してくれるのかもですが、私たちの担当の方は持っていませんでした。HPに掲載されているメニューの方が種類が多いので、そちらはチケットの食事に含まれず、有料なのかも。
食堂車Urikeは、ガラス張りの展望部分(中2階のような少し高い位置)と、1階部分があります。ガラス張りの席の方が人気ですが、ガラスが汚れているのと、季節によっては日差しが暑いです。食事は、前菜としてシーフードタコス、メイン料理、デザートのプリンでした。事前にメイン料理のオーダーをとっているので、次々と食事が運ばれてきます。ソフトドリンクは無料ですが、アルコールは有料です。有料なものは、食後に現金で支払いです。Chepe車内は現金払いのみなので、車内の飲食や、Chepeグッズも販売しているので、現金は多めに準備しておくことをお勧めします。
食事のオーダーや、バー車両でもそうですが、スタッフの方はタブレットなどを使うわけではなく、全て手書きメモのアナログな対応をしていました。ちなみに、携帯電波はほぼありません。停車駅付近ではギリギリ3Gというくらいです。乗客用の車内WiFiなどもありません。コンセントは各席の足元にありますので、長時間、写真や動画を撮っても充電可能です。
最後尾のテラス車両(窓全開)は、人気で混みあっていました。乗車中、自分の席に座っている人は少ないです。多くの方がテラス車両やバー車両などで過ごしていました。テラス車両にいると、隣の方とお話をしたり、色んな方とコミュニケーションがとれました。客車の窓ガラスは大きいのですが、キズや汚れがあったり、天候によっては曇ってしまうので、意外と綺麗に景色が見れません。綺麗に絶景の写真や動画を撮りたい方は、窓を開けられるテラス車両(Primera Clase乗客しか使えません)をお勧めします。
12:30を過ぎると食事タイムが始まるのでテラス車両も空いてきます。その後は、食事後の眠気と疲れで、各自の席で寝ている人も増えてきました。8月でしたが、私の車両のエアコンは強く寒かったです。その他の車両は半袖で問題ありませんでした。
列車は通過場所によっては強く揺れますので、車内を移動する際には注意が必要です。何度もよろけながら歩きました。下車した後、この日は1日中、揺れている感覚がしました。(船に乗って、下りた後も揺れが続いているような感覚です)私は乗り物酔いしやすいタイプなので心配でしたが、テラス席で風にあたったり、車内を移動したりしていたので、酔うこともありませんでした。
各絶景ポイントになると、車内放送が流れたり、乗務員が説明をしたりしてくれます。
Los Mochisを出たときは平坦な大地でしたが、だんだん渓谷になり、景色が変わってきます。事前に写真で見たChepeの景色は荒々しい岩山の印象でしたが、雨期だったので、緑豊かで、まるでスイスのようなところもありました。Divisaderoが近づくと、木々も針葉樹に変わっていきます。
途中、乗務員がChepeグッズの販売に周ってきます。キーホルダー、ロゴ入りのステンレスボトル、折り畳み傘、エコバッグ、ぬいぐるみなど色々ありました。
Divisaderoの手前のSan Rafael駅(急行列車の停車駅ではありません)では、タラウマラ族(走る民族・ララムリ)の方が、民芸品(カゴ)や果物を売りに集まってきます。
約8時間の乗車を終え、Divisadero駅に到着しました。長時間ではありますが、朝食1時間、昼食1時間、テラス席でボーっと景色を眺め、周りの方とお話をして、ちょっと昼寝などすると、意外とあっという間でした。
停車駅では、車内放送は入りますが、新幹線のような丁寧なアナウンスや表示はないので、降りそびれないように注意してください。ドアも乗務員が手動で開けて、ステップを出してくれます。
預け荷物はホームに並べられており、半券と交換になります。
Divisaderoは人気の観光地なので、素朴な駅ではありますが、Golditasの屋台や、お土産屋さんが駅にあります。
【ホテルまでの移動】
私たちは、このエリアでは一番人気があると言われている絶景ホテルHotel Mirador にしました。
Chepeの駅から約3.5km。タクシーやUber、公共バスなどはありません。事前にホテルにピックアップの依頼をし、ホテルグループのBalderramaと書かれたシャトルバスが迎えに来ました。ホテルまでは約10分ほどです。
【ホテル】
ホテルの周りは何もないので(小さい売店がある程度)、3食付きプランにしました。曜日ごとにメニューが決まっており、メニューは選べませんが、どれもとても美味しかったです。朝食ビュッフェはコーヒーやジュースは含みますが、昼食と夕食はドリンクは別料金です。
古い建物ではありますが、清掃も行きとどいていて、スタッフもとてもしっかりしていました。このときはWiFiが不調とのことでしたが、ロビーで3Gが使えました。
山なので、洗面所の水が少し黄色でした。客室には1人500mlの水のペットボトルがありますが、歯磨きはペットボトルの水を使いました。
日中は暑いですが、朝食時はパーカー、夜に屋外に出るには薄めのダウンなどが必要な寒さでした。ほとんどの宿泊客がダウンやウインドブレーカーを持ってきていました。雨が降ると更に冷えます。ただ、ホテル内は客室も含め、夜も寒くありませんでした。客室には冷暖房と予備の毛布、真冬には使うのか暖炉がありました。
駅周りもそうですが、野良犬が沢山います。みんな人懐っこくて可愛くて、犬好きな私はワンコをワシャワシャしたいところでしたが、ノミダニ、狂犬病も心配なので触れませんでした。ただ、ワンコ達は人についてきます。客室の前でも寝てたりしてました。(客室前の通路が外なので)
【観光】
ホテル主催のツアーも3時間ほどのものから、Creelへ行く1日ツアー、タラウマラ族の方のお話などもありました。この時期は、毎日午後は雨が降るとホテルの方から聞いていたので、午前中のみのホテル近隣のMiradorツアーに参加しました。
★Parque de Aventura Barrancas del Cobre
目を引くのは、
①3000mの距離のロープウェイ
②一気に2500mを下りるZip Rider
③7つのZip LineがあるCirquito de 7 tiroresas
④レストラン内にあるガラス張りの床 でしょうか。
②Zip Riderと③7つのZip Lineは、ロープウェイで戻ってきます。②Zip Riderは座った状態で一気に下ります。③7つのZip Lineは自分の手でロープを触ってブレーキをかけることができます。事前に練習をするロープがありました。④ガラス張りの床は、専用の靴カバーを履いて歩くことができます。
その他、小さなお子様向けのアトラクションや、お土産屋さん、Golditas屋台もあります。勿論絶景も見れます。トイレも綺麗です。
★Barrancas del Cobre 英名:コッパーキャニオン (Chepe駅前)
私たちは、上記のAventura公園手前から、40分ほど歩いて行きました。歩道があるので、絶景を見ながらウォーキングできます。吊り橋もあります。
崖側はフェンスがありますが、歩道が少し内側にある部分は、フェンスがありません。絶景写真を撮ろうとして身を乗り出すと非常に危険です。
★Posada Barrancas駅
観光地という訳ではありませんが、ホテルを下ったところにある、普通列車用の駅 Posada Barrancas駅まで散歩をしました。電車が来ることもほぼないので、映画Stand by meの気分が味わえます。
帰路【Divisadero駅への移動】
Los Mochis行きはDivisadero駅9:55発ですが、シャトルバスは8:30にホテルを出発しました。先に、宿泊客のみを駅まで送り、その後、次の車で荷物が届きます。
駅では、チケットを確認し、また荷物タグを付けて、クラスごとに荷物を並べられます。このときに荷物タグ付けをしてくれる方は、Chepeの制服など着ておらず、Chepeから委託された地元の方のようでした。
荷物を預け、お土産屋さんや、最後に絶景を眺めたりしていると、列車が到着しました。
カーブした線路を警笛を鳴らしホームへ入ってくるところが、最大の撮影ポイントではないでしょうか。やっと先頭車両を正面から見ることができました…。
預け荷物は駅のスタッフが貨物車両に乗せてくれるので、乗客は自分の車両へ乗り込むだけです。
行きと同様、車内でチケットと身分証確認、クラス分けのリストバンドの配布があり、出発後に食事のメニューを確認されます。行きと同じメニューでした。
帰路もやはりEl Fuerte駅で下りる方が多かったです。
【Los Mochis市内、ホテルまでの移動】
18時前にLos Mochis駅に到着しました。下り坂のためか、行きより少し短い乗車時間で到着です。ツアーの方などは、送迎バスが到着していました。また、Chepeの降車客をターゲットにしたタクシーも何台か集まっていたので、事前予約無しでも問題ないと思います。私たちはUberで、行きと同じホテルFiesta Innまで移動しました(約60ペソ)。Los Mochisにはタクシー会社のアプリもあるようなので、万が一、タクシーがいなかったり、Uber・DiDiが見つからない場合は、そのアプリを使用してもいいかもしれません。
【Los Mochis空港までの移動】
空港発が朝8時で早かったので、またホテルでタクシーを予約してもらいました。空港まで250ペソでした。
Chepeの本数が少ないので、乗車日を決めてから、その前後の旅行スケジュールを立てる必要がありました。初めての登山鉄道で、普段なかなか行けない場所でしたので、とてもいい思い出になりました。片道で乗る方もいました。
Chepe内もそうですが、お土産屋さんなどの屋台は現金払いのみです。到着駅付近ではATMなどもない様子でしたので、乗車前に多めに現金(チップなど用に細かいお金も)を用意しておくといいと思いました。ホテルではカードが使えました。季節によっては雨具や、虫よけなども持っていくと安心です。
Divisadero近郊は、タクシーもバスもレンタカーもないので、観光をするにはツアー参加が便利だと思います。もう少し宿泊日数が長ければCreelへも行ってみたかったです。
(文責:Leah)