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こんにちは。今回のインタビューは、メキシコ在住の方々の間では、もう既に話題となっているケレタロ州・ケレタロに11月にリブランド・オープンした、ケレタロのホテル&サービスアパートメント「FUJITAYA」です。
メキシコにいながら日本の日常を味わうことが出来、スタッフの方々のおもてなしの精神がこもったサービス、露天風呂、日本食のビュッフェ…ここは本当にメキシコ?と思うくらいの異空間の実現に尽力されてこられた株式会社フジタの高城様に、ホテルが出来るまでのお話やメキシコ人コミュニティに向けたアプローチ、お部屋や設備へのこだわりなどをお聞きしました。
この記事の素敵な写真とエピソードを見た後は、きっと次の週末はFUJITAYAに泊まることに決めた!と思うこと間違いなしなので、是非ご覧ください!
<目次>
日本人にとって住みやすい環境を提供することは日本企業のメキシコ投資の増加に寄与するはず
ー本日は宜しくお願い致します。早速ですが、FUJITAYA Queretaro をオープンしたきっかけを教えてください。
高城様:私は入社以来30年間のうち大半の期間を海外事業に携わってまいりました。
駐在ベースでは、その殆どがラテンアメリカの国々だったのですが、出張ベースでは中国や東南アジアの各都市に行くことも多くありました。その度、感じていたのはメキシコとアジア各国の進出日系企業の圧倒的な数の違いでした。
メキシコには先進国の中で、ほぼ唯一、成長が約束されている巨大市場であるアメリカへの生産拠点としての確固たる地位があるにも関わらず何故これほどまでに日本企業の進出が少ないのか。ある時この疑問に対する一つのヒントを得る機会がありました。
それはメキシコをはじめとする、ラテンアメリカ諸国との比較において、アジアの各都市の日本人向け生活インフラは実に充実しているな。という実感を得たときでした。つまり企業が外国への新規投資の意思決定をするにあたって、その国の派遣社員向け生活インフラの充実度が、それなりに影響しているのではないかということです。
さらにメキシコが持つネガティブ要因として一般的に「危険な国」というイメージが定着していることもあります。そこでメキシコにおいて
「日本人にとって安全、快適な住環境を提供することができれば、このアジアとの差を少なからず縮小することに繋がるのではないか」
「結果として日系企業のメキシコでのビジネスチャンスを拡大させることに繋がるのではないか」
という想いを強く持つようになりました。そして、この想いは、ラテンアメリカそしてメキシコにおいて建設事業を長年続けてきたフジタの社内においても共有されることとなり結果として今回の事業がスタートすることとなりました。つまり「FUJITAYA」は建設会社フジタのメキシコに対する強い想いの実現のための小さな一歩を形にしたものなのです。
もちろんメキシコで日本人が最も気になっている安全もしっかりと確保できることも念頭に置き、土地探しを始めました。その中で、ケレタロが今後発展する可能性が極めて高く、地理的にも45号線と57号線が走り、北はサン・ルイス・ポトシ、東はメキシコシティ、西はグアナファト州各都市へのアクセスがあるケレタロに決めました。
ー日本人の宿泊客の方は、どちらからいらっしゃる方が多いですか。
高城様:COVID19 感染拡大後、いわゆる”プチ旅行”として近郊の州からのお客様に喜んでいただいております。近郊の州だけでなく、ケレタロ市内からも多くのお客様がいらしていただき、日常のお仕事での疲れを露天風呂や和朝食ビュッフェなどで癒していただいております。
プチ旅行として、ケレタロにある日本を体験しにいらしてください!
(写真はスライドショーになっています)
また、FUJITAYA Queretaroのような日本への拘りを、ここまで前面に押し出したしたコンセプトのホテル&サービスアパートメントも珍しいようで、アメリカからのお客様にも大変よかったと感想をいただきました。
メキシコ人にもFUJITAYAというブランドを浸透させ、インバウンドを刺激
ー日本人のお客様だけでなく、メキシコ人のお客様にもFUJITAYAという名前を知っていただきたいという想いから、様々な工夫をされていると伺いました。
高城様:地元を大切にしたいという想いです。ケレタロ州で生産されているものを使い、地元の産業に貢献していきたいという想いがあります。今後は、施設内にケレタロ州のワインやチーズ、工芸品などの特産品をならべた、お土産コーナーを設置しMade in Queretaroを紹介することによって、地元ケレタロを応援していきたいとも考えております。
今年11月6日のリブランドにかかるオープニングセレモニーをした際は、ケレタロ州の政府関係者の方々を多く、お招きしました。これは日本人のみならずメキシコの方々にも「FUJITAYA」をもっと知っていただきたいという理由からでした。この結果、特に州観光局長からは「COVID19の影響で観光業に大きなダメージが残り、何らかの起爆剤となるものが欲しかった。そこにFUJITAYAという日本の体験ができるという新たなケレタロの観光の目玉になり、ネタとしても面白い。これはケレタロのインバウンド、そしてメキシコ・インバウンドにも繋がります」とコメントをいただき、非常に喜んでいただきました。
リブランドにかかるオープニングセレモニーの様子は
ケレタロの地元紙でも取り上げられ、話題になりました
お食事もレストラン・GOENに入居して頂き、宿泊者のみならず、お食事のみでも、ご利用いただけるようにいたしました。また、従業員の教育にも力を入れ、本物の日本流のおもてなしを実現していけるよう努力を重ねているところです。
お部屋・サービス・食事・露天風呂、全てが合わさり、総合的に満足して喜んでいただけるような施設を今後も目指していきます。
ビジネス客の方が日常のストレスから解放されるための部屋作り
ーホテルには露天風呂など日本らしさを感じる箇所が沢山見られます。建設時にこれらの資材は日本から調達されたのでしょうか。
高城様:日本から持ってきたものは、TOTO製のお部屋のシャワーです。これは私が自慢したいポイントなんですよ。メキシコに普段住んでいると読者の皆様も経験があるかと思いますが、住居のシャワーの圧力がとても弱いですよね。時にはお湯から水に変わったり、いきなり水が出なくなったり・・・そうしたストレスをFUJITAYAに泊まっているときだけは味わっていただきたくないという想いで、バスタブ付きの、お部屋に設置しているシャワーは日本から輸入したものです。ウォシュレットはTOTO製で、アメリカから輸入しました。
ー客室に湯舟があるものFUJITAYAの魅力の一つですが、こちらの湯舟はどうされたんですか。
高城様:メキシコの業者に特注で作ってもらいました。メキシコの業者さんが深いバスタブに、馴染みが無いのは当然でしたので、あらかじめ想定はしておりましたが想定通り納得できるものが納入されるまでには大変な苦労がありました。
ー気になったのが、お部屋は全て洋室です。日本のお部屋というと畳を想像される外国のお客様もいるかと思いますが、畳にしなかった理由は何でしょうか。
高城様:FUJITAYAの基本的なコンセプトの一つが、日本人でビジネスで来られているのお客様が快適に過ごしていただける環境の提供です。そのため、部屋も全室洋室となっているのですがメキシコ人のお客様から、あるとき想定外のクレームがありました。そのお客様は日本に旅行をした経験のある方で「日本のホテルなのに畳の部屋は無いのか」というクレームでした。これには正直、意表をつかれましたが将来的に畳の和室を設置するのも悪くないな、とも思いました。
しかし、日本に旅行したメキシコ人のお客様からは「日本のホテルなのに畳のお部屋がないの」というリクエストはありますので、畳のお部屋で日本文化体験できるような面白ろ部屋は将来的にあってもいいかもしれませんね。
日系企業が力を合わせてメキシコ市場に挑戦する
ーホームページを拝見しました。露天風呂の横にポカリスエットがあって、まさに「ここでは日本の日常が日常です」ですね。
高城様:ありがとうございます。お風呂上がりにポカリスエットがあるというという風景。まさに日本の日常ですね。日系企業にとってメキシコ市場のポテンシャルは極めて大きいと思います。日系企業が力を合わせてメキシコ市場に挑戦する。これが、この写真の意図するところです。このように、これからも日系企業との連携を強化してゆきたいとも考えております。
「安心して快適な、お時間」ケレタロに、お仕立てしました
ーこの記事をご覧になっている読者の方へのメッセージをお願いします。
高城様:ホームページにもメッセージを残していますが、
まるで日本にいるような
「安心して快適な、お時間」
ケレタロに、お仕立てしました
そして、お客様が実際に足を運び、お部屋に入りお食事と露天風呂を堪能していただく。もうそれは日本の日常が日常となる空間です。
ケレタロという日本を感じられる場所で、皆様のお越しをお待ちしております。
編集後記
2021年11月にFUJITAYA Queretaroとしてリブランドされたホテル・サービスアパートメントですが、開業当初から編集部も注目していたホテルの一つでした。今回お話を伺ったことで、高城様はじめ、スタッフの皆様が日本人のビジネス客の方にいかに日本の日常を体験して頂くか、メキシコ人のお客様にも日本を体験して頂くかという想いがしっかりと伝わってきました。
また、全ての施設の設備を日本から輸入するのではなく、メキシコで製造されたものを取り入れるという取り組みに対し、高城様がインタビューの中で仰っていた「地元の産業に貢献していきたい」という狙いに繋がっています。ケレタロの地元を大切にしながらも、日本の日常を体験できる施設、FUJITAYA Queretaro。いつかメキシコ人向けのスペイン語ガイドブックなどで、「Queretaroでは日本が楽しめる施設がある」とスペイン語で紹介され、ケレタロ・インバウンドとメキシコ・インバウンドを盛り上げることに繋がっていくのではないでしょうか。
お問い合わせ先
所在地:No.5001 Avenida Santa Rosa Fraccionamiento Valle de Juriquilla Querétaro
HP : www.fujitaya.mx
電話:公式ダイヤル +52-442-802-9410
メール:info@fujitaya.mx
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