top of page

世界を歩いて見つけた道:和田首席領事のキャリアとメキシコ生活

今回のインタビューは、昨年11月にメキシコに着任された在レオン日本国総領事館の和田首席領事です。学生時代から世界を旅し、様々な国での経験を積んだ和田首席領事が、メキシコの魅力やワークライフバランスの秘訣、メキシコでの日系コミュニティの現状やご自身のキャリアについてお話しいただきました。

 

<目次>

 

『深夜特急』が人生を変えた


MEXITOWN: 和田首席領事のこれまでのご経歴をお聞かせください。現在のお仕事を目指そうとしたきっかけなども教えてください。

 

和田首席領事:ありがとうございます。大学生の時に沢木耕太郎の『深夜特急』を読んで、バックパックで世界中を旅することに憧れ、途上国を中心に26か国を旅しました。実はメキシコにもその時に訪れてます。そうして旅をしているうちに、いつか世界を飛び回る仕事をしたいという想いを持つようになりました。

 

大学卒業後、地元北海道のマスコミ関係に就職しました。その当時の社長から「和田さんは営業に向いているよ!」といわれていたのもあり、入社後は営業部に配属さました。本当は記者になりたかったのですが、いざ配属されてみると社長が面接で言っていた通り、私には外に出て人と交流する営業の仕事が向いているのだなと実感し、とても楽しかったです。

 

その後、旅行ではなく外国に住んでみたいという思いがより強くなり、色々縁あって中米のニカラグアへ行くことになりました。ニカラグアの漁村で2年間暮らしました。ここでスペイン語に触れ、中南米の魅力に惹かれていきました。その後、旅行会社や在京ペルー大使館などで働き、様々な世界と関わる仕事を経験しました。そうこうしているうちにスペイン語も大分話せるようになりました。


 

その後外務省の在キューバ日本大使館の専門調査員の募集を見つけ応募し、キューバで3年間働きました。その経験から外務省の仕事に魅力を感じ、中途採用試験を受けて合格し、入省して18年目になります。入省後は東京の本省を含めペルー、コロンビア、キューバでの任務を経験し、2023年11月から在レオン日本国総領事館に首席領事として着任しました。



メキシコでおもてなしの心を感じる

 

MEXITOWN: これまで訪れた国々とメキシコを比較して、「これはメキシコにしかない」というものは何ですか?

 

和田首席領事:メキシコ人のサービス精神は他の中南米の他の国々では見られないと思っています。どこに行っても皆さんニコニコと挨拶をし、レジの人とも会話するなど、おもてなしの心を感じます。また、メキシコのレオンでは運転が比較的優しいですし、以前住んでいた国々に比べると日本食を含む様々な物が手に入るので、物資的に困ることがありません。これはメキシコならではの特徴だと思います。



また、総領事館で文化イベントを開催する際、皆さん日本のイベントを開催することにとても積極的です。「会場を用意することはできるから、アーティストや企画を手配してください!」とおっしゃっていただけるのは他の国では見られないことですね。こうした皆様のあたたかい対応は、これまでメキシコにいらっしゃった日本人の先人の方々の努力のおかげで、非常に働きやすい環境が整っています。 

 

MEXITOWN: メキシコに赴任されて半年が経ちます。メキシコの日系コミュニティについてどのような印象をお持ちですか?

 

和田首席領事:管轄地域※1の日系人コミュニティは、ここ数年の間新しく立ち上げられた組織が多いです。これらのコミュニティは若い人たちが活躍しており、勢いがあり、やる気が感じられます。他の国の日系コミュニティと比較しても若い日系人の方々の活躍がある印象です。特に、2026年は全国日系人大会(CONANI)2026がグアナファト州・レオンで開催されることも今年の4月に決定したのもあり、若い日系人のパワーが目立っています。総領事館としてもできる限り支援していこうと思います。 

 

人に頼ること、自分が楽しむこと 

 


MEXITOWN: 和田首席領事ご自身に質問です。和田首席領事は単身子連れで赴任されたと聞いていますが、ワークライフバランスを保つために心掛けていることは何でしょうか。

 

和田首席領事:実際のところ、毎日が自転車操業ですが、ワークライフバランスを保つために心掛けていることは2つあります。

 

1.人に頼ること


これまでも今も、私は多くの人に助けられてきました。友達や家族、職場の仲間、赴任先ではお手伝いさんの支えを頼りにしています。そうした支えがあるからこそ、自分だけで無理をせず、困った時には誰かにお願いする。もし現在、1人でメキシコや海外に住んでいる方で1人で抱え込んでいる方がいたら、是非周りに声をかけてほしいとアドバイスをしたいです。メキシコは困った時に声をあげて助けを求めると、優しく助けてくださる方が多いです。



2.自分自身が楽しむこと


私には小学生の息子が1人いますが、自分が楽しんでいる姿を見せることがきっと子供にいい影響を与えるはずという信念のもと、時間と体力が許す限りテニスや友人との飲み会など自分の好きなことを積極的にやるようにしています。実は、自分への息抜きと頑張ったご褒美として勤務後や週末にお酒を楽しむことが心の糧です。レオンでも色々と楽しんでいます。例えば先日グアナファト日本人学校で開催されたセルビン焼きの絵付け教室に参加し、メキシコでしか体験できないことを息子と一緒に楽しむことが出来ています。公務員として、子育て中の世代にも優しい制度が整っています。職場の仲間の助けも大きく、特に週末や夜遅くまで働くときには上司や同僚のサポートが欠かせません。

 

寄り道をしてもいい!沢山の経験が必ず活きる

 

MEXITOWN: 最後に今後外務省で働くことを目指す方へのアドバイスもお願いします。また、MEXITOWNの読者の方へのメッセージをお願いします。

 

和田首席領事:外務省職員を目指している方へのメッセージとしては、人生たくさん寄り道をしても良いということです。高校や大学を卒業する頃、明確な将来が決まっていなくてもその後チャンスは沢山あります。私の場合は前述でもお話しした通り、中途採用で入省しました。現在中途採用で活躍する職員も多くいます。新卒で外務省に入る人もいますが、色々な経験を積んでから入省しても遅くはありません。過酷な経験やカルチャーショックを乗り越えることで、外務省の仕事で生きる力がつきます。

 

MEXITOWNの読者の皆さんには、メキシコにいる機会を最大限に活かして、現地のことを知り、国内旅行やメキシコ人との交流を楽しんでほしいです。特にグアナファト州の方々は日本人をサポートし、親日感情が強いです。このような環境での生活を楽しんでください!

 

※1 在レオン日本国総領事館の管轄地域はグアナファト州、ハリスコ州、ケレタロ州、アグアスカリエンテス州、サン・ルイス・ポトシ州、サカテカス州の6州

 

和田首席領事経歴:

北海道出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、北海道放送勤務等を経て、2007年外務省入省。中米カリブ課、在コロンビア日本大使館、在ペルー日本大使館、人物交流室、在キューバ日本大使館を歴任後、2023年11月より在レオン日本国総領事館に着任。老後の夢は小料理屋の女将。

MEXITOWNへのお問い合わせはこちらのフォーマットから承ります
(お急ぎの方は右下chatboxでご連絡ください)

送信ありがとうございました

Banner vertical (160x600).jpg
vertical.png

MEXITOWN 

スポンサー様広告

Banner TRENDIVITY - CondeHOuse 4.png
vertical final bold.jpg
縦バナー PDF_page-0001.jpg
final.png
advertise-in-Mexico312x1075.jpg
縦長広告 バナー (1).png
Banner 360x1349 OK.jpg
3.png
bottom of page