国際協力機構(JICA)は、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に対し 、 「 感染症診断・治療体制の強化 」 、 「 感染症研究・早期警戒体制の強化 」 、 「 感染症予防の強化・健康危機対応の主流化 」 の 3 本柱からなる JICA 世界医療保健イニシアティブ を立ち上げ ました。
同イニシアティブの下、JICA は 2021 年 7 月 より 、 メキシコ国 ユカタン州 メリダ市、バジャドリド市 において「 新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト 」 (以下 、 「遠隔医療プロジェクト」 と称する。) を実施 しています。
遠隔医療プロジェクトは、ユカタン州の対象公立 病院( オーラン病院及びバジャドリド病院)の集中治療室(ICU でコロナ重篤者を診療 する 医療従事者(医師、看護師) と日本の集中治療専門医 、看護師を 通信システムでつなぎ、集中治療に係る研修や技術的な助言を行っています。
これまでに合計273人 の医療従事者 (延べ人数 )がオンライン、オンデマンド研修やリモートカンファレンスに参加しました 。 そして、今年 5 月より日本の集中治療専門医・看護師が現地のICU 勤務 の医療従事者に対して治療や看護のアドバイスを定期的に行う「スケジュールドケア」が開始されています。
そこで、7月11日に遠隔ICU施設の竣工式 を開催しました。 JICA の 協力によ り、両対象病院 向け に集中治療向けの医療機材や ICT 機材、更にオーラン病院 向けに ベッド5床からなるコンテナ式ICU 病床が設置されました。
同式典には、ビラ・ドサル州知事、サウリ・ビバス州保健局長、真鍋尚志公使(在墨日 本大使館)、坪井所長(JICA メキシコ事務所)、そして池田仁人執行役員(施工担当、高砂 熱学工業株式会社)を含む 22 名が出席しました。式典では、ドサル州知事から、安倍元首 相の逝去への哀悼の意が示された後、1919 年に野口英世博士がオーラン病院で黄熱病研究 に取組んで以降、今日に至る約 100 年もの間、その意思を引き継いだ多くの医療者によっ て同州の市民の健康が支えられてきた友好の歴史への言及がありました。また、コンテナ ICU は、COVID-19 収束後も、熱傷や移植の患者を対象とする隔離施設として地域の保健ニ ーズに応え続ける重要な協力であることが強調されました。 今後、対象施設(州立オーラン病院及びバジャドリド病院)の ICU 部門と本邦を ICT 機 材で繋ぎ、メキシコ人専門医と看護師に対する技術協力(研修等支援)が 2022 年 9 月まで 行われる予定です。
図1:コンテナ式 ICU外観
図2:コンテナ式 ICU病床
図3:ユカタン州対象病院(オーラン病院及びバジャドリド病院)の地図
コンテナ ICU(内部) 左から、坪井所長、真鍋公使、ドサル州知事、ビバス保健局長
集合写真(中央がドサル州知事)
記念銘板
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特別インタビュー JICAメキシコ事務所坪井所長「日墨交流ー人々の想い・意思に上手く寄り添っていきたい」
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