今回はMarkLines Mexicanaの安達社長より、メキシコ自動車産業を専門的に探究する独占的なインタビュー記事です。自動車産業における優れた調査能力を持つMarkLines。メキシコで展開する事業の紹介と、自動車業界における課題に焦点を当てた貴重な洞察を語って頂きました。また、赴任して間もない安達社長がメキシコで何をしていきたいかなど、幅広い内容の記事となっておりますので、是非ご覧ください!
<目次>
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自動車産業に特化した調査会社、MarkLines
―MarkLinesのメキシコにおける事業紹介をお願いします。
MarkLines 安達さん:当社は2001年に設立され、今年23年目を迎えた自動車産業に特化した調査会社です。現在、東京本社の他に名古屋に事務所、厚木に分解調査を行うベンチマークセンターがあり、海外には6社の現地法人が存在しています。従業員数はグローバルで220名ほどで、世界50か国以上、5,000社以上の企業が利用中の「自動車情報プラットフォーム」と呼ばれる会員制検索サイトを中心に、7つの事業を展開しています。メキシコでは「自動車情報プラットフォーム」の事業を運営しており、米州地域のサプライヤー情報の収集等の調査活動や法人会員の営業活動を行っています。
―MarkLinesのサービスのメリットについて教えていただけますか?
MarkLines 安達さん:自動車産業は伝統的に閉鎖的で情報入手が難しい業界です。特に北米地域では機密情報の厳格な取り決めがあり、情報収集の難易度が高いことが特徴です。当社は時間と労力をかけて調査し、会員企業に最新の情報へのアクセスを提供しています。これにより、カーメーカーや部品メーカーは現地の調達先を発見し、機械メーカーや素材メーカーは製造メーカーの動向を把握できるなど、多岐にわたる業種において「時間効率」の提供を目指しています。
実際にサービスをご契約いただくと、上記のような情報がゲットできます
あらゆる業態の関係者の取り組み次第で、メキシコ自動車産業全体が成長する
―そんな御社から見たメキシコの自動車産業の課題点についてもお話しください。
MarkLines 安達さん:メキシコ自動車産業の最大の弱点は、地場サプライヤーの少なさだと思っています。世界の自動車生産台数の国別ランキングトップ10で比較してみると地場サプライヤーの割合は他国と比べて著しく低いのがメキシコの特徴です(以下表参照)。
結果サプライチェーンの多層化と分業化が進まず、サプライチェーン全体で増加コストを吸収する選択肢が少なく、部品メーカーは売上は上がるが費用がかさむ「増収減益」の構造にあります。
MarkLines Mexicanaはここを打破すべく、自動車向けに供給実績がある地場サプライヤー発掘に着手し、優良なサプライヤーを可視化させることで部品メーカーへ調達の選択肢を用意したいです。部品メーカーは選択肢を増やすことで課題に即した活動ができる。部品メーカーの競争力を上げることでこの構造を変えたいと考えます。
これは一例でメキシコ自動車産業全体が成長するには、カーメーカーや部品メーカーだけではなく、パートナーとなる機械メーカーや素材メーカー、商社、コンサル、金融機関などあらゆる業態の関係者の取り組みや知見が欠かせません。
―安達さんはメキシコに赴任されて間もないです。かつてはスリランカやロシアのモスクワにも滞在されていました。そうした国々と比較して、メキシコの印象はいかがですか。
MarkLines安達さん:法務系や労務系においてはメキシコは難しいなと感じています。一方でスリランカやロシアは公的機関での審査や手続きに曖昧さがなくシンプルでした。それと比較すると、メキシコではビザなどの事務手続きにおいては担当者の裁量によるものが大きく、状況を把握するのが大変ですね。また、担当官の語学の問題も影響しており、スリランカやモスクワでは公的機関では英語が通じる一方、メキシコではスペイン語が主流となっているため、これから私もスペイン語をしっかりと勉強しなくてはいけないです。
一方で、人々の明るさや気候、食事の美味しさなどはメキシコが魅力的で、特に食事文化においては結構満足しています!
オフィスのあるレオンはもちろん、メキシコを楽しみ、様々な方々と交流したい!
―メキシコでは、これからどんなところに行ってみたいですか。
MarkLines 安達さん:王道ではありますが、カンクンですね!世界的にも有名で、一度は訪れておきたい場所です。もう1つはモンテレイです。現在、自動車産業で注目されているエリアでもあるので、しっかりと現状を自分の目で確かめたいという想いがあります。
―御社オフィス周辺のおすすめスポットやレストランなど教えていただけますか?
MarkLines 安達さん:まずはレオンのサッカースタジアム、エスタディオ・レオンです。サッカー観戦が好きで既に4回ほど足を運びました。観客がサッカーに集中しているので、危険な雰囲気もなく安心してサッカー観戦を楽しむことが出来ました。
レストランでは、本格的なイタリア料理が食べられるDa Bianco Osteria & Pizzeria、ブランチの美味しいお店としておなじみのLas Moras Caféといったレストランがおすすめです。また、Adrian's Barber & Tattoという床屋もオススメです。スリランカやモスクワでも現地の床屋に行きましたが、ことごとく失敗していまして・・・メキシコではどうかなと思い、思い切って入ってみたところ、思い通りのカットに仕上げてもらえました!メキシコでは美容室や理容室に困っている方が多いと聞きましたので、男性の方で困っている方にはおススメな場所です。
―最後に、MEXITOWNの読者にメッセージをお願いします。
MarkLines 安達さん:メキシコでカマラ(メキシコ日本商工会議所)の懇親会に参加させていただきましたが、カマラでの交流が他国に比べても活発な印象がありました。こうした機会を利用しながら幅広い分野の皆様と交流し、アイデアを共有できる機会を求めていますので、ぜひお気軽にお声がけください!
経歴:
安達 孝政(あだち・たかまさ)
1987年生まれ。MarkLines Mexicana社長。2010年同志社大学卒業後、商社、コンサルで一貫して自動車及び部品の流通領域に従事。海外はスリランカとモスクワに駐在歴。元マークラインズのユーザーで展開しているサービスの評価が高かったことから2018年にマークラインズへ転職。23年4月から現職。趣味は野球とお酒。実家は自動車ディーラーを経営。
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