こんにちは。6月2日(日)メキシコでは大統領総選挙が行われ、第59代メキシコ大統領として、Claudia Sheimbaum氏（クラウディア・シェインバウム）が当選しました。メキシコとしては歴史上はじめての女性大統領の誕生となりました。
本記事ではまず、今回の各州の結果などについて説明した後、新しい大統領・Claudia Sheimbaum氏の経歴と掲げている政策について解説していきます。また最後に、有識者コメントとして弊サイトでもおなじみのJIGYOU SUPPORT STRATEGYの滝本昇氏のコメントも掲載します。
メキシコ総選挙2024：各州で与党Morenaの存在感現れる
今回の大統領選は与党Morena（国民再生運動、Movimiento Regeneración Nacional、）のClaudia Sheimbaum氏、野党連合のソチル・ガルベス前上院議員、Jorge Alvarez Maynez氏で争われましたが、メキシコ各州の投票結果はアグアスカリエンテス州でXochitl氏が勝利した（地図ピンク色）以外、殆どの州でSheimbaum氏が当選しました（地図赤色）。
各州の州知事の政党を見ますと、今回の選挙の結果でMorena党に所属している州知事が全国で24州です。日系企業も多く進出するバヒオ地区ではサカテカス州とサン・ルイス・ポトシ州の2州がMorenaで、グアナファト州、アグアスカリエンテス州、ケレタロ州がPAN（Partido Acción Nacional, 国民行動党）、ハリスコ州がMC（(Movimiento Ciudadano、市民運動）となってます。
女性のトップが多く誕生
また、女性トップの躍進も注目されています。
今回の大統領となったシェインバウム氏はもちろん、首都メキシコシティはMorena党の
Clara Brugada氏（写真左）、グアナファト州はPANのLibia Dennise氏（写真中央）、レオン市長はAlejandra Guiterrez氏（写真右、再任）など。女性の政治・社会進出にも力を入れるメキシコですが、これは大きな一歩といえるのではないでしょうか。
グアナファト州では、3つに1つの市町村で女性のトップになりました。
写真下は地元メディアのTV 4 からですが、総領事館もあるレオン市、シラオ市、グアナファト市、イラプアト市が女性のトップです。
為替相場への影響
今回の選挙の結果を受けて、外国為替市場も影響を受けました。
昨年後半よりペソが強い状況が続いていましたが、6月3日午後10時現在、1ドル17.71ペソまで上昇。ペソがドルに対して0.7ペソ下落しました。株価も下落しましたが、しばらく様子を見た方がいいです。
対日本円については、選挙前は1ペソ＝9～9.4円でしたが、選挙結果後に9ペソを割り、8.8ペソになりました。こちらも一時的なものかもしれませんが、ペソが強い状況にあった中で大きく取り上げられました。
新大統領はどんな人？
ここで、新大統領となったクラウディア・シェインバウムの略歴を紹介します。
Claudia Sheimbaum
1962年6月24日生まれ（62歳）、メキシコシティ生まれ。
メキシコ国立自治大学(UNAM)で物理学（学士号）、エネルギー工学（修士号）
環境工学（博士号）取得。
メキシコシティ環境局長、Tlalpan区長、メキシコシティ市長を歴任。
メキシコシティ市長時代、COVID19感染防止の問題解決にワクチン接種を進めたことで、一定の評価がされている。
ロペスオブラドール大統領は貧困対策に取り組み、通貨ペソ上昇や低失業率を実現した。同氏の政策路線をシェインバウム氏は継承する方針。
配偶者はJesús María Tarriba氏（再婚）、子供1人
有識者コメント
今回の選挙結果を受けて、JIGYOU SUPPORT STRATEGY の滝本氏に今回のSheimbaum氏の当選についてコメントをいただきました。
新大統領は現AMLO政権の政策の継続(2階建て作り)を強調してきました。
また国会でのMorena党及び同調する政党の勢力拡大を望んでいると述べ、実際憲法改正に必要な3分の２以上の議員が当選しました（写真下、左の茶色の丸から緑の丸の箇所）。
したがって現大統領以上に労働法のみならず各分野の改革法案が次々と出てくると予想されるでしょう。
参考資料
メキシコ日本商工会議所「メキシコの現状と課題～AMLO政権は終焉へ～新政権は新しい未来を示せるか」2024年3月
ロイター通信”メキシコ初の女性大統領、シェインバウム氏勝利 現政権の路線継承”
GTO News
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