こんにちは。最近メキシコでのワクチン接種事情についてのお問い合わせが増えてきました。今回の記事ではメキシコではどのようなワクチンが提供されているのか、ワクチン接種の流れなどを説明した後、編集部・編集長が接種したときの体験談の2部構成でご紹介します。
※本記事の内容の一部は、編集部独自の調査・経験談からの意見を紹介しています。
メキシコの制度変更などにより、ワクチンの接種ルールなど変更になることも可能性としては今後あり得ますので、ご理解いただいた上ご一読いただけると幸いです。
目次
メキシコのワクチン接種事情
そもそもどんなワクチンが接種できるの?
メキシコ政府はこれまでに以下のメーカーのワクチンを輸入しています。
ファイザー(米国)
アストラゼネカ(英国)
Cansino(中国)
Sinovac (中国)
Sputnik V(ロシア)
米国のジョンソンエンドジョンソン、インドのCovaxinは輸入していますが接種された自治体の情報がつかめずでした。日本の職域接種などで利用されているModernaは輸入されていません。
(8月25日更新)Modernaがメキシコにも輸入され、順次自治体に振り分けられる予定
輸入されたワクチンは各自治体・年代別に振り分けられますが、比較的裕福なエリアにはファイザー、貧困層が多い・人口が少ない村などには中国やロシア製のワクチンが配分されています。また、年代別では、30代以降、レオンやプエルトバジャルタといった都市でもSinovacが配分されることもあります。そのため、自治体からの情報で出てくるワクチンの種類は注意してみていなくてはなりません。
これまでに接種されたワクチンの数
8月5日現在、メキシコ保健省によると、接種された人数は1回目完了が約5000万人、2回目完了が2683万人です。2回目完了まで見ると、メキシコの人口およそ21%が接種済みとなります。一方で、オアハカ州などでは接種が進まず、AMLO大統領が重点的に接種を強化していく動きがみられています。
メキシコではワクチン接種は昨年の12月頃から徐々に始まり、1月~2月は医療従事者、3月以降は高齢者、5月頃には50代というスピードでした。日本より早いと思う一方で、ファイザー製やジョンソンエンドジョンソン製を好む方や早くワクチンを接種したいという方の一部には、アメリカまでワクチン接種に行く方も見られました。また、8月から開始された在外邦人向けの帰国時の接種を検討している方もいます。
ワクチン接種までの流れ
まず、ワクチンはメキシコでCURP番号(身分証明書番号のようなもの。外国人の方でも居留証の裏面に記載されています)を所持している18歳以上の成人であれば、メキシコ国民・外国人問わず無料で接種することができます。ワクチンの接種を希望する方はまず、Mi Vacuna というサイトに行き、必要情報(居住地、名前、連絡先、基礎疾患の有無など)を入力して登録が必要になります。
Mi vacuna
登録後、EXPENDIENTE DE VACUNACIONという接種記録にもなるPDFファイルが発行されますので、PCやスマホにダウンロードして保存・印刷して保管します。このMi Vacunaでの登録では、ワクチンの接種日の予約はできず、あくまで接種するための登録・接種証明書のダウンロードが目的です。
メキシコ入国で、ワクチン接種証明書は必要?
世界数か国でいわゆるワクチンパスポートを導入する国も出てきていますが、8月8日現在、メキシコではワクチンパスポートの導入・導入予定はありません。ただし、シナロア州・マサトランでは8月2日からレストランやバーに出入りする時に接種証明の提示が求められるという報道もありましたので、入国時ではなく、メキシコの観光地などでの導入が進む可能性もあります。
参考URL:Pasaporte Covid’, obligatorio a partir de este lunes en Mazatlán
ワクチン接種スケジュールを確認するには?
では、自分が住んでいる場所でいつ・どこで・どの年齢層がワクチンを接種できるのかは、州・市政府からの告知を常にチェックしておく必要があります。
グアナファト州保健局ではSecretaria de Salud のTwitterやFacebookで告知しています。
レオン市では、接種が開始されると、Twitterアカウントでこまめに会場ごとの混雑状況をツイートしています。
さて、次からは実際にMEXITOWNがワクチン接種したときのレポートになります。
ワクチン接種レポート
MEXITOWN編集部・編集長は30代・レオン在住です。7月半ば、30代の接種がレオン市で開始されたツイートがありそろそろだなと準備していたところ、開始される1日前のツイートで、レオンの30代はSinovacであることが判明。50代はファイザー、60代~・40代はアストラゼネカで、メキシコでも屈指の都市レオンがSinovac・・・。次の20代の番まで時間があると思われ、他の市町村でも接種ができるかもしれないということを聞き、グアナファト州の他の市町村の状況も見ることにしました。
そして、8月第1週目にグアナファト州保健局からのお知らせで、レオンから車でおよそ1時間のPurisima del Rincon では30代はアストラゼネカが提供されることを把握したので、「レオンに住んでないけれど、接種できるか一か八かで行ってみよう」と決心し、行きました。グアナファト、セラヤ、イラプアトもアストラゼネカでしたが、どれも都市の規模が大きいので、混雑するかと思い避けました。
ワクチン接種前の過ごし方
諸説ありますが、アルコールは接種前は控えること・水分を補給することがいいとされています。また、朝ごはんはしっかり食べていきましょう。接種会場での待ち時間が長いと、体力消耗します。
接種会場の様子・アドバイス
ワクチン接種会場に持参するものです。
必須
印刷したEXPENDIENTE DE VACUNACION
居留証
居住証明として、水道・電気代の領収書(Comprobante de domicillio)→基本必要ですが、一部のサイトには必須アイテムとして記載がないことや、今回私が接種した会場のように提出を求めないところもあります(曖昧💦))
マスクの着用
あると便利
お水 (特に接種前は水分補給をしっかり!)
お菓子 (待ち時間の空腹対策)
ペン (EXPENDIENTE DE VACUNACIONに記入する必要があります。書いておくとスムーズ)
折りたたみ傘(待っている間に、急な雨や強い日差しに耐えるため)
ヒマつぶしの本
折りたたみ椅子(折りたためてない椅子を持参しているツワモノもいました)
日焼け止めクリーム(今回日焼けしたので、女性の方でお肌が弱い方は塗っておくのがいいです)
ハンカチ・消毒用ジェル・ウェットティッシュ
レオンから車で1時間ほどのところにあるPurisima del Rinconの接種会場。街の中心地にあるAuditorio Municipalという普段は発表会などに使われる講堂が会場になってました。会場に着くとものすごい人!2時間ほど並び、いざ受付のところで居住地を聞かれて思い切ってレオンと答えても、OK!よかったー、ここまで来て断られたら切ない思いをするところでした(※繰り返してしまいますが、基本的には居住地と接種会場が違うと接種できないです。これも担当者によるというなんともメキシコらしい・・・)
また、今回は30代を対象とした接種でしたが、40代以上の方と妊娠中の18歳以上の方でも接種が可能です。実際、会場にはご高齢の方もいました。
そしていざ会場に入ると(プライバシーの関係で、写真は撮影していません、すみません)、10列くらい椅子が並べられており、係員の方に従って着席→注射→5分ほど待機 という流れで、あっという間に終わってしまいました。腕に刺されるのも一瞬。むしろ目の前の人の針を刺す瞬間の方が、緊張していました(笑)
受付の時にEXPENDIENTE DE VACUNACIONの上部分(1回目の接種情報)は回収され、2回目用に半券としてEXPENDIENTE DE VACUNACIONが返却されます。これは2回目の接種なのでなくさないでください!
接種後の体調
会場を後にし昼食を食べてからレオンに戻りました。その後、家事をそつなくこなしていた編集長。夕食を済ませた後、何となく身体がだるくなり少し熱いと感じて体温を計ったら37度。その後、2時間ほどで39度近くになり、寒気と頭痛でかなりしんどい状況に。日本から持参したカロナール錠(500mg、海外ではTylenolが成分同じ)を飲み、就寝。水をよく飲んでいたので、夜中何度も頭痛で起きてしまいました。
翌日も37度~39度をいったり来たりで、横になっていないと辛い状況になりました。熱が完全に下がったのは接種3日後で、微熱はしばらく残りました。もしかしてコロナに実は感染していたのかなと思うくらいの高熱で焦りましたが、呼吸器系は問題がでませんでした。
ネット上の情報で、ワクチンの副反応は2回目の方が強いという意見を見ていたので、1回目は問題ないと思っていた編集長。確実に言えるのは、副反応は人によって違う!ことです。
最後に
まだ2回目は接種していませんが、この接種の流れを経験してアドバイスとしては以下の通りです。
夫婦や同居人の方とは接種時期をずらす
家族全員で接種してしまうと、全員が副反応で体調不良になることも考えられます。接種時期は絶対ずらしてください
アメリカに渡航して接種を検討している方は副反応が出たことを考慮して、スケジュールに余裕を持たせる
もし今回の編集長のように、接種後7時間で高熱が出た場合です。例えばアメリカのロサンゼルス空港で接種→次のフライトはその日の夜や24時間以内という強行スケジュールだとしたら、高熱で場合によっては搭乗拒否になることがあり、予定変更を余儀なくされます。可能であれば接種したらすぐに飛行機に搭乗するか、5日~1週間程度の滞在日程にして、副反応が出てもホテルなどで休養することができるようにしておくプランがいいかもしれません。
解熱剤、十分な食料はワクチン接種前に確保しておく
解熱剤は日本から持参していたカロナールが効き目があり、メキシコで同じ成分はTylenol(タイレノール)です。ドラッグストアやスーパーの薬局コーナーで購入ができますので、準備しておくといいです。また、十分な食料と書きましたが、副反応で調理するのもしんどくなります。高熱で身体がしんどい時に日本のお菓子やうどんなど好きなものが食べれると精神的に落ち着いた気分になりましたので、こちらもおススメです。編集長、うどんとおせんべいに相当癒されました。
アルコール摂取は、少なくとも接種してから3日以内は控える
接種後1週間ほどは激しい運動、無理な運動はしない
1回目であっても、2回目であっても、接種前後で重要な予定は入れないようにする
異国の地での接種に不安を抱える方、またメキシコにご家族がいてワクチン事情がどうなっているのか心配な方など、、、そうした方々に少しでも参考になっていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。