第28回メキシコで頑張る人にインタビューは、今年4月にNFT Serviceを設立した青木聖也様にお話しを伺いました。
ペルー生まれ・日本育ちで、飲食業や日系企業での経験が豊富な青木様。コロナウイルスのパンデミックの中で長年の夢である会社設立をした理由や、日系企業の駐在員の方だけでなく現地スタッフの方へのマネジメントサービスを手掛ける事業について語っていただきました。
<目次>
New Future Together 協力して新しい未来を作っていきたい
ー本日は宜しくお願いします。青木様はNFT Service を立ち上げたばかりですが、これまで様々なご経験をされてきたんですね。
青木様: ありがとうございます。25歳くらいからビジネスを自分でやりたいという想いは元々ありました。日本の大学を卒業し、レストランで接客業をしていたのですが、2011年に東日本大震災があり、レストラン業界が非常に厳しい状況になりました。
その後、飲食以外のやりたいことを見つける為、ペルーに渡り、半年以上住んでいる内に、自分のスペイン語能力が思っていたよりも低いことに気付き、「自分のスペイン語力をあげる!」と決意し、日本に帰国後、スペイン語通訳の仕事を探しはじめました。
そんなある日、メキシコにあるサンノハシ・メキシコ社がスペイン語の通訳の求人が募集していたので応募し、採用されてメキシコに来ました。
サンノハシ・メキシコでは通訳だけではなく、品質保証やマネジメントなど、私にとって成長できるとても貴重な経験を得ることができました。その後、得たマネジメント経験を活かし、日系自動車部品企業の総務・人事マネジャーとして転職。今度はモノではなく、人的な課題対応を経験させてもらっている過程で、「こういったサービスがあったらいいな」「こういったサポートがあったらもっとスピードアップできるのにな」と日頃から考えるようになり、そこに一つのビジネスチャンスがあると思ったのがNFT Serviceを立ち上げたきっかけに繋がってきます。
ーNFT Service の社名について教えてください。
青木様:NFT ServiceのNFTは、New Future Together の頭文字をとっています。前職などでの経験から、マネジメントを一人でやるのは限界があり、サプライヤーの方々に支援して頂き、はじめて新しい事にチャレンジしてもらうことができる、皆様と一緒に新しい未来に向けて進んでいくという意味が込められています。
駐在員へのマネジメント保険サービスやレオン新ゴルフ練習場
ーマネジメント保険サービスとして、様々なサービスを開始されましたが、設立以降でお問い合わせの多かった案件は何ですか。
青木様:問い合わせが多いのは大きく分けて2件あります。1件目は、通訳弁護士サービスです。社内の通訳の方がメキシコ現地の弁護士とやりとりをするには、専門性が高い内容になればなるほど、難易度が高くなります。昨今多い案件としては、政府への異議・申し立て、IVAの還付関連の訴訟、従業員の解雇です。社内通訳がいても、弁護士に対して今後の事業の在り方、方向性を直接いうことが抵抗が出てきていることと、コロナウイルスのパンデミックにより人材削減をしたことで各社とも通訳が足りておらず、工数を減らしてしまった企業が多いです。こうした背景もあり、問い合わせが増えています。弊社では提携の弁護士をご紹介することが可能です。
もう1件は企業内の強化プロセスの構築、是正、改善についてです。メキシコの日系企業の多くがメキシコに進出以来、日本ならではの評価体制をひいています。しかし、こうした評価体制はメキシコ人が理解できるような評価プロセスではなく、運営がとても難しいです。メキシコ人が理解しやすいような評価プロセスの導入提案は、お客様のリアクションがとても良いです。
一つ大きなプロジェクトとして、プエルトインテリオールからレオンに向かう45号線沿いに今までになかったゴルフ練習場を新設しました。現在11月のグランドオープンに向けて最終的なサービスの構築及びブランディングさせて頂いております。
現在工事中のゴルフ練習場の様子
ー日系企業だけでなく、メキシコ企業にもアプローチすることができるのは、さすが前職で様々な経験をされていただけありますね。青木様が前職までで携わってきた案件の中で、最も大変だったことは何でしたか。
青木様:人的対応ですね。どの案件も解決に時間がかかるだけでなく、高度な戦略が求められ、お客様の高い満足度を得るのが難しいです。特に訴訟案件は大変でした。法的な理解をお客様に基礎から説明して理解を得ていただくことや、合意を得るのが難しかったです。また、メキシコでは訴訟案件は、進捗管理をしないと進んでいない事が多いので、フォローアップも苦労しました。
柔軟性・親近感・2か国語でのマネジメントサービスが強み
ーそうした苦労があったからこそ、現在のNFTServiceのサービス品質が高い証拠ですね。他社とは違う強みをズバリ教えてください。
青木様:柔軟性・親近感・2か国語でのマネジメントサービスの3つが強みだと思っています。メキシコと日本のマネジメントを調和・実現でき、両社のレベルで両社のマネジメントをできる柔軟性、弊社がスタートアップ企業なので、マネジメントと親近感をもって対応ができること、2か国語でのマネジメントサービスが出来るというのがお客様にも安心いただける点です。
ー駐在員向けのサービスですが、コロナウイルスのパンデミック以降、日本に帰国される駐在員の方は減っています。こうした状況の中で、青木様はどのようなアプローチをしていこうと考えていますか。
青木様: コロナウイルスのパンデミック以降、駐在員の方は減少しています。駐在員が減ることにより、残っている駐在員の工数が増えています。現地スタッフに対して業務移譲していかないと仕事が回らなくなるため、業務を現地スタッフに移譲していくときに様々な問題が発生しています。
こうしたお悩みに対して、弊社のサービスが活用できると考えています。工数が増え、多忙な駐在員の業務に対してのアプローチし、現地スタッフに対しては、現地マネジメントの強化研修プログラムをご紹介できます。現地マネジメントの強化研修プログラムは、メキシコ人の考えに基づいたマネジメント研修が基本的にメインになっています。
駐在員が減ってきたことで、ビジネスが減るのではなく、そうしたピンチをチャンスに変えていきたいという考えが私にはあります!
ゴルフ練習場のご紹介など、メキシコで楽しく過ごしてもらうためのサポートをします!困ったことがあればすぐにご連絡ください!
ーピンチをチャンスに変える。コロナウイルスのパンデミック下でなかなか先も見えない中、前向きに挑戦しようとされていますね。それでは今後、青木様が挑戦したいことについて語ってください。
青木様:いろいろなことにチャレンジしていきたいですね。NFTとして、メキシコと日本を人でつなぐコンセプトを大事にしています。弊社のサービスを問わず、日本人とメキシコ人を様々な形でつないでいきたいです。コロナウイルスのパンデミックが収束したら、企業、政府関係者もつなげて、経済・地域発展を促すプロジェクトをチャレンジしていければと思っています。日本人が多くいるレオンで日本フェスティバルなどを開催して、交流を深めるようなプロジェクトを始めていきたいです。
大規模ではないですが、ゴルフ練習場の紹介やメキシコと日本の交流支援の思いからメキシコの日系企業代表者や政府関係者をお招きして交流会をしました。
また、情報発信の本格化として、SNSやYoutubeを始めていきたいです。
ー最後に、読者の方にメッセージをお願いします
青木様:NFT Serviceは、日系企業の方が楽しくメキシコで過ごしてもらえるように、何でもできる企業の位置づけとして、お悩み相談などサービス外でも遠慮なくお話ください!ご連絡待っています!
編集後記
ペルー生まれで日本で育ち、日本とメキシコでの就業経験を持つ青木様。日本とメキシコそれぞれの企業や人々の仕組みや考え・価値観を理解し、両者が双方納得できるような対応ができる方です。コロナウイルスのパンデミックがまだまだ続く中、どうしても閉塞感のある世の中で、ピンチをチャンスに変えるという点は、記事の中でもふれている通りとてもお客様にとっては頼りになると思います。
メキシコで楽しく過ごしてもらいたいという想いはMEXITOWNも同じで、将来日本フェスティバルのような交流を実現していただきたいです。その日が来るまでも、青木様はまた何か新しいことにチャレンジされていく気がします。
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