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メキシコにおける「難民定住プログラム」及び企業での雇用に関する日本企業向け説明会開催



9月10日(火)グアナファト州・シラオ市にあるIECA・高度技術訓練センターで、メキシコにおける「難民定住プログラム」及び企業での雇用に関する日本企業向け説明会が開催されました(主催:国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)メキシコ事務所、グアナファト州移民局、協力:メキシコ日本商工会議所グアナファト支部、在メキシコ日本国総領事館、グアナファト州経済開発局、グアナファト州職業訓練センター(IECA)他)。当日はグアナファト州内の日系企業40社が出席し、その関心の高さが伺えました。


「難民定住プログラム」とは

メキシコには、中米やその他のラ米諸国からの移民が流入し、その多くが米国に向かいますが、一方で、移民の一部は、メキシコ連邦政府により「難民」と認定され、メキシコにて滞在許可を付与されて定住をしている方々もいます。これらの「難民」は、生活の安定を求めて、バヒオ地域に移動して、教育を受けたり、職を得ております。


この「難民の定住プログラム」を推進しているのがUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で、首都以外にアグアスカリエンテスにも事務所を持ち、①アグアスカリエンテス州、②サン・ルイス・ポトシ州、③グアナファト州政府等のサポートを受けて同プログラムを実施しており、難民がメキシコ企業、外国系企業で従業員として勤務しております。①と②の州では、日本企業でも「難民」が従業員として雇用されている実績もあります。


移民は増加傾向、より難民雇用が重要な課題に

セミナーでは、UNHCRメキシコ関係者、グアナファト州移民局長官等の開会の挨拶がありました(以下、一部抜粋)。


グアナファト州移民局長官より

  • グアナファト州では、州知事の要請に基づいて、移民や難民に丁寧な対応を取る

  • 2024年の第1四半期では、約3,000万人の移民がメキシコを経由してアメリカに行った。この数値は2023年と比べて約200%の増加である。

  • 移民の主な国籍はエルサルバドル、ホンジュラス、ハイチ、ベネズエラであり、41,000人がメキシコで難民の申請を行った。そのうち、約400人がグアナファト州に定住して職を得ている


Juan Carlos Lopez・IECA事務局長からは「IECAとしてどのようにこのプログラムに貢献できるか考え、移民局と協力して取り組んでいきたい」、またHector Lopez Santillana・Puerto Interior 代表は「メキシコにとっても移民や難民は身近な課題。アメリカでメキシコ人も色々な待遇を受けてきたので、そのこともイメージして考えていきたい」と挨拶がありました。



離職率が低く、多くの企業が満足している



移民・難民、UNHCRの機能、難民定住プログラムの説明が板垣克巳・在メキシコ日本国総領事館総領事、およびUNHCRメキシコから説明がありました。


  • 移民の方は主にグアテマラ国境からチアパス州に入り、チアパス州かメキシコシティからモンテレイやコアウイラ州、バヒオ地区へと移動することが多い

  • これまでバヒオ地区では1,287人の難民を受け入れ、雇用の機会を創出した。アグアスカリエンテス州の実績が最も多い。グアナファト州では主に農業、サービス業、靴産業に従事する難民が多い

  • 難民は男性が多く、またハイチ(フランス語、クリオール)を除いてはスペイン語圏が圧倒的に多い

  • UNHCRアグアスカリエンテス事務所では、難民のデータを各企業に提供し、マッチングを行っている。難民を採用した600社のうち、87%は満足しているとの結果がある。離職率も低いことが理由としてあげられる。


他の文化を受け入れて寄り添うオープンな社風が根付く



また、難民を雇用している日本企業(EXEDY DYNAX MEXICO(アグアスカリエンテス州)及びNISSIN MANUFACTURA DE MEXICO(サンルイスポトシ州))の人事担当者と中継が行われ、実際に難民を雇用した経験談を話しました。


  • 難民を採用した経緯として、NISSIN MANUFACTURA MEXICOは、現在サンルイスポトシ州全体で人手不足の背景があることを挙げた。EXEDY DYNAX MEXICOは、以前ホンジュラス国籍の男性を雇用した経験があることから、UNHCRのコンタクトに繋がった。

  • 難民を雇用したことのメリットとして、メキシコの人々の文化の変化が見られたこと。他の文化を受け入れ、寄り添う姿勢が生まれたこと、また、多様性の尊重という文化が企業に根付くことが挙げられた。



最後に、グアナファト州経済開発局よりグアナファト州独自の奨学金プログラム「BECATE」の紹介がされました。BECATEは、従業員が企業に入社した最初の3か月間の研修などに対する奨学金プログラムであり、この奨学金プログラムを利用した9割の企業が最終的に従業員を雇用した実績を紹介。このプログラムが更なる雇用を生み出すことに有益になっていることにも触れました。



難民雇用プログラムに関するリンク


墨難民支援委員会(COMAR)


UNHCRメキシコ事務所


Alianza por la Inclusion

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